2010-02-18から1日間の記事一覧

カレル・チャペックの「Mind Tree」(3)- チェコの大地を覆う大樹へ

ダーシェンカ、または子犬の生活 「民衆新聞」のジャーナリストでありつづける ▶(2)から続く:戯曲『ロボット(R.U.R.)』を出版した翌1921年(31歳)、勤めていた「国民新聞」がナショナリズム的傾向に傾斜し、チャペックは兄ともども「民衆新聞」のプラハ…

カレル・チャペックの「Mind Tree」(2)- 束縛する母との葛藤

家族から孤立した母の異常な愛情 ▶(1)の続き:チャペックにとって、母との関係は決定的なものでした。幼少時から青年期にいたるまで強く内面的な部分に影響し続けます。家事の切り盛りと子供の養育に疲れきった母は、憂鬱症にかかりヒステリーの発作が生…

カレル・チャペックの「マインド・ツリー(心の樹)」(1)-チェコの職人たちの寒村から

対ナチス、デモクラシーと自由を説いたジャーナリスト カレル・チャペックは20世紀を代表するチェコスロバキア(当時)の作家です。チャペックといえば、年輩者には今日でも使われている「ロボット」という言葉を産み出した戯曲小説『ロボット』や『山椒魚戦…