2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧
20歳で「詩」を捨てて旅立ったランボー 齢37歳にして断ち切れた「ランボーの樹」。蒼穹にいたるまで伸びんとする、この心眼でしか見ることができない巨きな樹は、世紀を2度にわたってまたいで、スピリチャルな花粉を青き星に撒きつづけています。骨肉腫から…
「夢」と「第二の夢(セカンド・ドリーム)」について 21世紀に入った現在もクイーン・オブ・ポップとして君臨し続けるマドンナ。デトロイト郊外の篤い信仰心に包まれたイタリア移民の家庭に誕生した一人の少女が、どのようにして世界を揺るがせる稀代のセッ…
感覚的な早熟さ。「絵」もうまかったカート ▶(1)からの続き:カートの早熟さは、感覚的な早熟と、心の感じやすさにあらわれています。音楽的な早熟さだけでなく、「絵画」にも同じレベルで才能を示しています。7歳の時(小学校2年生)、高学年の生徒の…
20世紀の「カフカ的状況」- <変身前夜> 朝起きたら一匹の巨大な虫(カブトムシに近い)に変身していたグレゴリー・ザムザを描いた『変身』、どうあがいても入ることのできない不条理劇のような『城』、そしてオーソン・ウェルズが見事に映画化した『審判』…
少年の頃は、遅刻と欠席の常習者 ▶(1)からの続き:ベンヤミンは10歳になるまでは、裕福な家庭の子弟だけが通う教育スペースで教育されています。それ以降は9年制のカイザー・フリードリッヒ高等中学校(ギムナジウム)に入学します。ベンヤミンは放課後…
幼年期への旅 27歳で夭折したグランジ・バンドの雄「ニルヴァーナ(涅槃)」のヴォーカリスト、カート・コバーンの、「マインド・ツリー(心の樹)」をたどってみましょう。グランジ・ロックがポスト・パンクやハード・ロック、インディー・ロックなどを源流…
24歳、短篇を懸賞に応募する ▶(2)からの続き:24歳の時(1833年)、ポーの「心の樹」は、一気に樹勢を増したかのように伸長します。孤絶の運命を芯にしたポーの「樹」は、次々に短編を生み出しはじめます。「サタデー・ヴィジター」誌が、ポーの果実を受…
はじめに:ラディカル批評が生まれでてきた<根源> ヴァルター・ベンヤミンは、『複製技術時代の芸術』や『写真小史』、『パサージュ論』、鏡の都パリやベルリン、そして作家のカフカやボードレール、ブレヒトについての論考などで知られる、ジャンルを超越…
絵画で溢れ返った部屋 ▶(2)からの続き:自室に飾られた肖像画「アルジェの女」に、当時のボードレールの「マインド・イメージ」が象徴されています。ボードレールの「マインド・ツリー(心の樹)」の根元の少し上から分岐した大きな幹の一本は、「絵画」を…
1900年「パリ万博」-パリ・オペラ座前の通り 詩に、砂漠の「泉」を”発見” ▶(1)からの続き:パリのルイ・グラン中学(哲学学級)では、シャルルは落第をようやく免れるくらいの低空飛行の成績になります。シャルルには哲学が駄弁におもえ、友人エミール・デ…
エドガー・アラン・ポーの翻訳家として シャルル・ボードレールといえば詩集『悪の華』。当時のパリっ子を震撼させたその詩、その顔つき、悪態つきの奇矯な行動の数々。今となっては若い頃に、一度は読んでみた『悪の華』も遠く翳(かす)んでしまっていまし…
14歳、「詩人」としての魂が起きだす ▶(1)からの続き:ポーは物語作家になる前に、運命的に「詩人」としての類い稀なる芽をだします。14歳の時、ポーは「詩人」としての生を受けたといわれています。その時、何が起こったのでしょう。学校で唯一の友人ス…
動画「The Raven -大鴉」/画:ギュスターブ・ドレ/解釈:クリストファー・ウォーケン 「幻視」するしかないポーの「マインド・ツリー」 19世紀半ばから20世紀にかけて深まっていった人類の闇の世界に大きな影響と「知」の窓を開けたエドガー・アラン・ポー…
リデル3姉妹との出会い ▶(2)の続き:学士号を取得したチャールズ・ドジソン23歳の時(1855年)、亡くなったクライスト・チャーチの学寮長の後任に、新しい学寮長ヘンリー・ジョージ・リデルが任命されやってきます。リデルは有名なギリシア語の辞書の著…
精緻につくりあげた機関車ごっこ ▶(1)からの続き:チャールズ11歳の時(1843年)、ヨークシャー州クロフトに建つ伝統ある牧師館に移ります。3階建てのジョージア風建築の牧師館とその向かいには赤い屋根瓦のゴシック風教会があり、デアズベリーの牧師館…
『不思議の国のアリス』の不思議 世界に遍く知れわたっている『不思議の国のアリス』や『鏡の国のアリス』の作者ルイス・キャロル(本名:チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン)について、本を読まれたこと以外にも、皆さんも何処かで見聞きしていることとお…
「冒険」や「旅」の本で埋まった本棚、「一般書ABC順読書ノート」 ▶(2)から続く:第二次世界大戦がはじまった時、エルネストは12歳でした。父はアルゼンチン・アクションという組織に加わり、その時エルネストも少年ながら会員証をもらっています。友だち…
未熟児として誕生、すぐに肺炎に罹る ▶(1)からの続き:エルネスト・ゲバラ(これ以降、青人するまではエルネストと表記します)は、1928年6月14日、アルゼンチンの第二の都市ロサリオで生まれています(5人姉弟の長男)。両親が商用でパナラ川を下りブエ…
「チェ・ゲバラ」のイメージが徹底的に変わる キューバ革命の立役者フィデル・カストルの右腕として活躍しただけでなく、世界の「レヴォルーション」に欠かせないシンボルとなっているチェ・ゲバラ。数年前にもスティーブン・ソダバーグ監督が映画化し、ドキ…