2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

C.S.ルイスの「Mind Tree」(3)- 16歳の時の「心の絵」が動き出す

パブでの会合「インクリングス」で『ナルニア国物語』が初めて語られた 『ナルニア国物語』やトールキンの『指輪物語』も初めて皆に読み聴かされたパブでの男性限定の会合「インクリングス」 ▶(2)の続き:1930年代の初期にオックスフォードのキャンパスで…

C.S.ルイスの「Mind Tree」(2)- 詩集は売れず、戦友の未亡人と同居

16歳の時、駅の売店で、大人のためのファンタジー『ファンタスティック』を偶然手にとる ▶(1)の続き:16歳の時、ジャックは兄につづきロンドンから30マイル南方にあるグレート・ブッカム村でカークパトリック氏の個人教授を受けるようになります。オック…

C.S.ルイスの「マインド・ツリー(心の樹)」(1)-夢中になった「服を着た動物」と「甲冑を着た騎士」のイメージ

映画『ナルニア国物語』は、プリンス・カスピアンの物語へとつづく C.S.ルイスの魂が必要とした『ナルニア国物語』 C.S.ルイスをご存知でしょうか。ひょっとして名前には記憶がなくても「ナルニア国」という不思議な国の名前は聞いたことがあるのではないで…

ニーチェの「Mind Tree」(3)- エグザイルするニーチェ

発狂後、療養中のニーチェ ルー・ザロメとの出会い。「永劫回帰」にインスピレーションを与えた「エネルギー保存の法則」の関係 ▶(2)からの続き:ニーチェ37歳(1881年)の時、「永劫回帰」の思想に逢着します。「永劫(永遠)回帰」の考え方は、古代ギリ…

ニーチェの「Mind Tree」(2)- <認識する鏡>の発見。ショーペンハウアー〜ワーグナーへの陶酔

学生団に参加し、ハメをはずして騒いだニーチェ ▶(1)の続き:ニーチェ20歳(1864)の頃はどんな生活をしていたのでしょうか。プフォルタ・ギムナジウムを卒業したニーチェは、ボン大学へすすんでいます。大学では神学と古典文献学を専攻。現在の日本でい…

ニーチェの「マインド・ツリー(心の樹)」(1)-牧師館の子供に生まれて

牧師一家に生まれて。父の早過ぎる死 フリードリヒ・ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche)は、1844年10月15日、当時のプロイセン王国(現在のドイツ連邦共和国;東西統合前は東ドイツに属す)の統治下ザクセン地方のライプチヒ近郊の町リュッツェン、そ…

モラヴィアの「Mind Tree」(3)- 激しく行動するモラヴィア

刺殺された映画監督パゾリーニの葬儀で演説するモラヴィア 印刷費もちの出版。大物批評家が大絶賛 ▶(2)から続く:20歳の時、並行してフランス語で書いていた短編『疲れた娼婦』を作家たちが創刊した文芸誌「900-ノヴェチェント」に発表。彼自身その雑誌で…

モラヴィアの「Mind Tree」(2)-サナトリウムでの”ドストエフスキー病”

廃屋になったイタリアにあるサナトリウム。 モラヴィアはこうしたサナトリウムで療養していた。 家で寝たきりの状態の時に、本を乱読しはじめた ▶(1)から続く:物心ついてからサナトリウムに入れられるまで、とくに寝たきりの状態の時は、アルベルト少年…