2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

フェデリコ・フェリーニの「マインド・ツリー(心の樹)」(1)- 毎夏に訪れた祖母の家と土地が幻想世界の源泉に

フェリーニ・インタビュー:故郷のリミニのこと はじめに フェリーニ映画は、今わたしたちが見馴れている映画の<世界の立て方>とはずいぶんと異なっています。映画『8 1/2』や『道化師』や『アマルコルド』などに登場し、映画に幻想性と魅力を与えている…

ジェイムズ・キャメロンの「マインド・ツリー(心の樹)」(2)- 15歳の時、映画『2001年宇宙の旅』を17回観る

15歳の時、映画『2001年宇宙の旅』を17回観る ▶(1)からの続き:15歳の時、キャメロン少年のその後の人生に決定的な影響を与えるものを「観」ます。それは「手」で触ったり、「創」ったりすることではありませんでした。それは地元の映画館で観た映画『20…

ジェイムズ・キャメロンの「マインド・ツリー(心の樹)」(1)- 幼少期、<物に触れている>ことが大好きだった 

はじめに 独自に3D技術までも開発し製作した映画『アバター』で世界の度肝を抜き、前作『タイタニック』、そして『ターミネイター』や『エイリアン2』『アビス』などで、驚異的な特殊効果を駆使した映画監督ジェイムズ・キャメロン。キャメロンとハリウッ…

ジェイムズ・キャメロンの「マインド・ツリー(心の樹)」(1)- 幼少期、<物に触れている>ことが大好きだった

ケイト・モスの「Mind Tree」(2)- 13歳の時、タバコもお酒も、両親は何でも好きにさせてくれた、とは?

14歳の時、ケネディ国際空港でスカウトされる ▶(1)からの続き:ケイトが、モデル・エージェントにスカウトされたのは、家庭崩壊した翌年、ケイト14歳の時でした。父と弟と3人で2週間のバハマへの旅行の帰り、ニューヨークのケネディ国際空港でのことで…

ルー・リードの「Mind Tree」(3)- 大学卒業後に行き先が見えなくなる

大学のカレッジ・ラジオ局のホストをつとめる ▶(2)からの続き:大学でエレキ・ギターを鳴り響かせていた時ルーに、同じく文学の道に入り込んでいたスターリング・モリソンが、同じ匂いをかぎつけてきました。モリソンはルーと同じくロングアイランドの中…

ジョニー・デップの「マインド・ツリー(心の樹)」(1)- チェロキー・インディアンの祖父への愛情と30回もの引っ越しと仮住まい

はじめに: かつてティーンアイドルだった一人の青年が映画界の異端児に、そしていつしか役柄に独自性をもたせ、深みのある演技をする本格派でドル箱の映画俳優となったジョニー・デップ。本格的に舞台経験を積んでいる役者がいるなか、見た目や容姿から映画…

マーク・ボランの「Mind Tree」(2)- 14歳頃に学校をドロップ・アウト。コーヒー・バーでの皿洗いとモッズ・ファッション

チャック・ベリー、リトル・リチャード、エディ・コクランが大好きに ▶(1)からの続き:マークは次第に、ラジオから流れてくるロックン・ロールが大好きになっていきます。チャック・ベリー、リトル・リチャード、エディ・コクランの陽気で刺激的なサウン…

ホルヘ・ルイス・ボルヘスの「Mind Tree 」(2)- 青年期、7年間ものヨーロッパ滞在。ブエノスアイレスの「再発見」

9歳にして、オスカー・ワイルドの『幸福な王子』をスペイン語訳 ▶(1)からの続き:ボルヘス少年が最初にものを書くようになったのは、6歳か7歳のことでした。『ドン・キホーテ』の作者ミゲル・デ・セルバンテスを模倣した滑稽な中世物語(題して『運命…

ホルヘ・ルイス・ボルヘスの「マインド・ツリー(心の樹)」(1)- 先祖は南米諸国の独立にかかわった偉人・軍人たち

はじめに アルゼンチンの首都ブエノスアイレスに南米の軍人の末裔として生まれ落ちたボルヘス少年が、<迷宮>をうたった世界的大作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスとなっていく過程は極めて興味深いものがあります。ボルヘスは少年期に、父の眼の治療のために訪…

マーク・ボランの「マインド・ツリー(心の樹)」(1)-マンガやお伽噺の”登場人物”になりきって夢中になる 

世界が大きく変転した1968年、彗星のようにあらわれ、パンク・ムーブメントが頂点に達っした1977年、30歳目前にして彗星のように逝ってしまったマーク・ボラン。グラム・ロックを切り開いた「T-Rex」のヴォーカルでギタリストだったマーク・ボラン自身は、自…

ルー・リードの「Mind Tree」(2)- 詩人デルモア・シュワルツとの出会いと影響

父との断絶。「英文学」と「哲学」を専攻 ▶(1)からの続き:19歳の時(1961年)、ルーはニューヨーク州の北部にあるシラキュース大学に入学します。ルーが専攻したのは、「英文学」と「哲学」でした。単純化できないにせよ、ルーの「マインド・ツリー(心…

スタンリー・キューブリックの「Mind Tree」(3)- 取り憑かれる気質と「カメラの動き」

エイゼンシュテインの映画理論と撮影技術との出会い ▶(2)からの続き:「ルック」誌(オフィスは五番街にあった)の編集部は、夜間学校へ通い励むキューブリックを見込み、日中できる仕事を依頼します。キューブリックは編集助手として戸外で必要な写真を…

カート・コバーンの「Mind Tree」(4)- 町中の壁にグラフィティを書きなぐった。ニルヴァーナ誕生へ

「Mind Tree」(3)と(4)が逆になっています。 この上に(3)があります。 街中の壁にグラフィティを書きなぐる ▶(3)からの続き:この頃、カートはバンド以外ですでに地元の顔になっていました。少年の頃、絵がうまかったカートだっただけに、銀行の…

ルー・リードの「マインド・ツリー(心の樹)」(1)- セクシャリティに悩んだ10代

はじめに: ニューヨークの”ワイルド・サイドを歩いてきた”人物の筆頭につねに数えられるルー・リード。ジャンキー、セクシャリティ、ペルソナ、詩人、アナーキー、アーチスト、ロックン・ローラー、パフォーマー、トランスフォーマーという形容が30余年にわ…

スタンリー・キューブリックの「Mind Tree」(2)- 人との交流は苦手だが、人の演技の撮影には深い関心

いつも35ミリ・カメラを首からぶらさげていた ▶(1)からの続き:キューブリックは中学校の成績にみあった地元の公立高校のウィリアム・ハワード・タフト校に進学します。中学校で成績のよい生徒たちはブロンクス科学高校に通いますが、キューブリックの成…

シド・ヴィシャスの「Mind Tree」(2)- 15歳、服飾工場で裁断師の見習工になる

義父の死去と、母の悲しみの共有 ▶(1)からの続き:ずっと鍵っ子だったシドが7歳の時に母アンが恋に落ちます。相手は中流階級出の知的な男クリストファー・ベヴァリーでした。2人は結婚します。ところが母アンはここで心が折れる程の不運に見舞われてし…

ケイト・モスの「マインド・ツリー(心の樹)」(1)- 13歳の時、幸せな家庭は崩壊する

1990年代半ばから10余年にわたって、モデル・ファッション業界にセンセーションを巻き起こしたケイト・モス。ヘロイン・シック(痩せてげっそりした容貌)、スーパー・ウェイブ(浮浪児)という呼び名は、ケイト以前の華やかでゴージャスなスーパーモデルの…

シド・ヴィシャスの「マインド・ツリー(心の樹)」(1)- バッキンガム宮殿の近衛兵の父に捨てられる

はじめに ロンドン・パンク・ムーブメントの中核的存在となり、その後の世界のユース・カルチャーに圧倒的な影響を与えることになったパンク・バンド「セックス・ピストルズ」のベーシストだったシド・ヴィシャス。薬物の過剰摂取で21歳にして夭逝しますが、…

スタンリー・キューブリックの「マインド・ツリー(心の樹)」(1)- 学校生活が苦手、無口で落ちこぼれ

映画『2001年宇宙の旅』や『時計仕掛けのオレンジ』『博士の異常な愛情』など、映画の境界線を押し広げた名作をうみだした映画監督スタンリー・キューブリック。作家J.D.サリンジャーやトマス・ピンチョンのように、社交を拒否し、映画の表舞台にけっして姿…

マドンナの「Mind Tree」(3)- 振付師パール・ラングの下でダンサーに

ミシガン大学ダンス科に奨学金で通う ▶(2)からの続き:ダンスの技術と表現力をレベルアップしたマドンナは、ミシガン大学でダンスの奨学金を得ることができ、ハイスクールを一学期早く卒業します。師フリンはマドンナが入学する時には同大学でダンス科(…

パティ・スミスの「Mind Tree」(2)- モディリアニ、ランボー、ストーンズを「発見」

最初のボーイフレンドは、黒人だった ▶(1)からの続き:13歳の時(1960年)、パティに最初のボーイフレンドができました。相手はジャマイカ人の黒人の少年でした。ふだんのキャンパスでも黒人の生徒たちといる方が落ち着いたし親近感を抱いていましたし、…

カフカの「Mind Tree」(3)- サラリーマンになったカフカ

映画「審判-Trial」より(監督オーソン・ウェルズ 1962年製作:アンソニー・パーキンス、ジャンヌ・モロー、ロミー・シュナイダー出演) サラリーマンになったカフカ ▶(2)からの続き:カフカ23歳(1906年)の時、大学卒業試験をなんとかパスし法学士とな…

パティ・スミスの「マインド・ツリー(心の樹)」(1)- 病気ばかりしていた幼少期、お話、音楽との出会い 

「夢」を変換したパティ・スミス 因襲や性別の境界を吹き飛ばした異端のロック詩人、パティ・スミスは、安息の日の最終章に相次いだ悲劇を乗り越え1995年(49歳)、不死鳥のようにカムバックしました。21世紀の今日、そのカリスマ性がゆらぐことがありません…

カフカの「Mind Tree」(2)- 学校 での「消え方」

映画「カフカ」(監督:スティーブン・ソダバーグ 1991)より ハプスブルグ皇帝フランツ・ヨーゼフにちなんでつけられた名前 ▶(1)からの続き:1883年7月3日、フランツ・カフカ(Franz Kafka)が誕生します。名のFranzは、ハプスブルグ皇帝フランツ・ヨー…

ランボーの「Mind Tree」(2)- 14歳の時、「詩人」になる夢。

パティ・スミス、ランボーの誕生を祝ったステージ「Go Rimbaud」 14歳の時、「詩人」になる夢をもつ ▶(1)からの続き:ランボーが「詩人」を意識したのは、14歳の時でした。ホラティウスをテーマにしたラテン語韻文の詩作で「汝、やがて詩人たるべし」と書…

マドンナの「Mind Tree」(2)- ハイスクール3年生の時のターニング・ポイント

継母ジョーンへの反抗 ▶(1)からの続き:母の突然の死。嘆き悲しむマドンナは広場恐怖症になってしまいます。父も人付き合いを避け時間をとって家庭をまとめようとしますが、なかなかうまくいきません。マドンナは父親にしがみつくばかりだったそうです。…