ホルヘ・ルイス・ボルヘス
39歳、厄年のように禍いがふってくる。1カ月、生死の境を彷徨う ▶(3)からの続き:ボルヘスはこの頃、映画も多く観ていました。「スル(「南」の意味)」誌と「エル・オガール」誌に文芸記事だけでなく、映画評(チャップリンやジョン・フォード、スター…
好んで読み返していた「短編小説」。最初の短篇小説の執筆には6年かかる ▶(2)からの続き:ボルヘスは「短編小説」のスナイパー、名手です。それはボルヘスの読書スタイルの傾向と習慣の結実でもあります。ボルヘスがつねに読み、好んで読み返していたの…
9歳にして、オスカー・ワイルドの『幸福な王子』をスペイン語訳 ▶(1)からの続き:ボルヘス少年が最初にものを書くようになったのは、6歳か7歳のことでした。『ドン・キホーテ』の作者ミゲル・デ・セルバンテスを模倣した滑稽な中世物語(題して『運命…
はじめに アルゼンチンの首都ブエノスアイレスに南米の軍人の末裔として生まれ落ちたボルヘス少年が、<迷宮>をうたった世界的大作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスとなっていく過程は極めて興味深いものがあります。ボルヘスは少年期に、父の眼の治療のために訪…