2010-02-20から1日間の記事一覧

フィリップ・K・ディックの「Mind Tree」(3)-長編の罠と、歓喜

長編SF小説を試みる。第一作『偶然世界』 ところがつねにそうなのですが将来の大樹には、必ずといっていいほど困難が降り掛かります。逆に言えば、困難があればこそ大樹に育つのです。ディックの場合は次のようなものでした。多くの短編が有力SF雑誌に掲載さ…

フィリップ・K・ディックの「マインド・ツリー(心の樹)」(1)-貧困とカウボーイとマンガ

「21世紀の大作家」とも呼ばれるディックの「心の樹」へ 映画『ブレードランナー』の原作『アンドロイドは電気羊の夢を見る』や映画『トータル・リコール』の原作、そして『高い城の男』『ユービック』『偶然世界』『火星のタイムスリップ』『流れよわが涙、…

フィリップ・K・ディックの「Mind Tres」(2)-小説『オズの魔法使い』の発見とクラシック音楽

カフカ、プルースト、パウンド、そして「ユリシーズ」 ▶(1)から続く:11歳の時、母とディックはバークレーに戻りました。そこでディックは小説『オズの魔法使い』を発見しました。ディックはその中にとてつもない”自由な空想の世界”があることに気づき、…